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これからのクラウドエンジニアが持つべき視点とは?

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クラウドサービス企画部 藤井です。本日はプラットフォーム技術部の築嶋氏と、KDDIにおけるクラウドサービスやその開発に携わるエンジニアの今後について語り合った内容を掲載します。

クラウドサービスの戦略と課題

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藤井:現在は、ICTのビジネス自体が大きく変わろうとしている時期だと感じています。例えば法人向けのビジネスは、従来、システムを納入し何年かで償却していただくモデルでしたが、今日では、ネットワークを経由してサービスを随時利用するクラウドモデルが急速に広がっていますよね。したがって我々も、KDDI独自のサービスや、Amazon Web Servicesを使ってお届けするサービスなど、あらゆるものを取り揃えることにより、キャリアワンストップでハイブリッドなクラウドサービスをお客さまに提供していきたい。それが今後に向けた戦略なのですが、築嶋さんのところはどのような状況ですか?

築嶋:私たちの部門では、法人向けとは別に、コンシューマサービスのクラウドインフラも開発しているわけですが、こちらの領域は、ライフデザイン戦略の下で手掛ける案件が増加している状況です。また、通信のサービス、つまり固定電話やモバイルに関しても、今後は一般的なクラウドと同じサーバを利用して、ソフトのみの開発でインフラを作る動きが世界的に広がっていくと予想されます。そのため私たちも、サーバ構築の内製化を推進していきたいと考えています。

藤井:通信キャリアは、ICTに巨額の投資をする業界として知られていますが、今のお話からすると、築嶋さんたちの設備投資もかなりの額になりそうですね。サーバの総数は現状、何台くらいありますか?

築嶋:1万台くらいですかね。ただし、社内でのサーバ構築をさらに推進していくには、技術者が足りない。この課題に対応するために、APIやアプリケーションを上手く使って、インフラをコントロールしていける人材が欲しいと思っているところです。

求められるのは、変化の時代を歩むエンジニア

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藤井:キャリアの選択肢としてKDDIに興味をお持ちの方であれば、KDDIフィロソフィを見ていただくと、コーポレートカルチャーが理解しやすいかもしれませんね。実際の業務においてKDDIが他社と違っている点は、これから作るものを自分たちで考えて、使用するサーバなども世界中から自由に選んで開発していけること。それはおそらく、エンジニアにとっての喜びに繋がるんじゃないかと思うんです。

築嶋: SIerでは、システムを作り終えたらゴールの場合もあるかと思いますが、我々の仕事は、作ったものを使い、サービスを展開して初めて意味がある。トータルな視点で物事を考えるのは、KDDIならではの特徴だと思いますし、ICTビジネスのサービス化が進む中、クラウドエンジニアは今まで以上に、総合的な思考力が求められてくるでしょう。ですから我々も、エンジニア育成のために、他部署への異動やチーム間の交流を活性化させている。もちろん、活躍のステージは海外にも広がっています。

藤井:現在は、さまざまなサービスが海を越えてやってくる時代。コミュニケーションのビジネスは熾烈なグローバルな競争にさらされています。だからこそ我々は、技術の最新トレンドを掴み、ソフトウェアを内製化して、さらに前へと進んでいかなければならない。新たなサービスを日本から発信するのだという気概を持って、アグレッシブに取り組んでいきたいですね。

 

プラットフォーム開発本部
プラットフォーム技術部長 築嶋 健輔

ソリューション事業企画本部副本部長
クラウドサービス企画部長 藤井 彰人

KDDIでは、クラウドエンジニアのキャリア採用を積極的に行っております。今回の記事を読んで興味を持たれましたら、ぜひコチラよりご応募ください。新しいクラウドサービスを一緒に創り上げていく仲間を、私たちは求めています。


“auでんき”の革新的な仕組みを実現させた アジャイル開発を加速させる環境とは?

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クラウドサービス開発部の平岡です。私たちの部門は2016年6月1日より開催された「AWS Summit Tokyo 2016」にて登壇し、KDDIの新規事業である“auでんき”のサービスインについてお話しさせていただきました。AWS Summitでのセッションの様子は他のブログでも紹介されていますので、私からはアジャイル開発によって実現できたauでんきのシステム上の特徴などを簡単に寄稿させていただきます。

クラウドネイティブなシステムをアジャイル開発

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私たちはauでんきのサービスインに際して、クラウドネイティブなシステム及びアプリケーションの開発に携わりましたが、その中で特に革新性のある部分は、運用監視の自動化を実現したことだと思います。具体的には、新規登録の管理や監視データの保全を自動化し、障害が発生した場合にも、slack~メール~電話等へと至る段階的な対応をすべて自動で行える仕組みなどを採り入れています。開発に要した期間は3ヵ月程でした。今までにない仕組みを短期間で作り出せたのは、AWSやオープンソースを使い、アジャイル開発(スクラム)の手法を用いたことが主な理由ですが、もう一つ付け加えるならば、自由度の高い開発環境も一因かと思われます。自由な分、厳しい目でクオリティの評価も行いますが、私どもの開発部隊は、使用する言語や技術に制約を設けない方針であり、今回の自動化に関する仕組みも、メンバーが主体となって新技術を発掘し、試行を重ねながら商用に繋げたものでした。

さらなる高アジリティの実現を目指すために、新たな人材を

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私たちKDDIは数年前から、国内の他の大企業に先んじてアジャイル開発を導入し、法人系からコンシューマ系サービスへと適用範囲を拡大してきました。無論、ウォーターフォール型の開発を行ってきた年月が長いため、関係者の意識を変え、開発文化を刷新していくことに大変さを感じる場面もありますが、変化を恐れていては時代に対応できません。そのために私たちは今、アジリティを高めるための組織改編や、変革に意欲的な人材のキャリア採用を進めています。業界の第一人者を招いた勉強会なども開催し、互いに刺激し合いながら技術レベルの向上に努めています。私たちアジャイルチームはこれからも士気高く開発に挑み、アジリティを高めることで、お客さまに喜ばれるサービスをいち早く提供してまいりたいと思います。今後ともよろしくお願いいたします。

KDDI株式会社 プラットフォーム開発本部
クラウドサービス開発部 フレームワークグループリーダー
平岡 庸博

KDDIでは、クラウドエンジニアのキャリア採用を積極的に行っております。今回の記事を読んで興味を持たれましたら、ぜひコチラよりご応募ください。新しいクラウドサービスを一緒に創り上げていく仲間を、私たちは求めています。

クラウド構成図を描くようにサーバを作成する

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KDDI クラウドプラットフォームサービス(以下、KCPS)の開発を担当している北条です。クラウドは、サーバやネットワークを簡単に追加・削除・変更できる反面、論理構成が複雑になり、また、構成管理が変更のスピードに追い付かないといった課題があると思います。このような課題を解決する一つの手段として、KCPSでは、複雑なクラウド構成図を自動生成する機能を提供しています。描画では次の点に気をつけています。

・シンプルに描く

・サーバやネットワークを基準に沿って揃える

・サーバのネットワーク線やIPアドレスが重ならないように配置

サーバの作成もクラウド構成図を描くように実施できると分かりやすいのではと考え、KCPSでは次のような手順でサーバを作成できる機能を2016年7月26日にリリースします。

1. サーバをドラッグしてネットワークへドロップ

KCPSのクラウドオーケストレーターであるCloudStackは「デフォルトネットワーク」と呼ばれる、デフォルトゲートウェイをサーバOSに自動的に設定する機能を有しています。ネットワークが複数ある場合、ドロップした場所がデフォルトネットワークとなります。

2 .クリックしてネットワーク(NIC)を追加

クラウドではサーバに複数のネットワークを柔軟に選択できる反面、どのサーバがどのネットワークに接続されているかを簡単に把握することが難しくなります。本機能では、例えば、既存のサーバと同じネットワーク接続にしたい場合に、構成図を見ながらネットワークを追加できます。

3. インターネット公開を設定

サーバを作成した後に、インターネットからアクセスさせる方法に戸惑うこともあると思います。本機能では、ウェブサイト・SSH・RDPのファイアウォールの設定をサーバ作成と一緒に実施することができます。

4 .サーバ名やサイズ、テンプレートを選択

サーバ名やCPU・メモリサイズ、OSを選択します。以上で完成です。可視化されたサーバ作成を体験できるKCPSをご検討いただけましたら幸いです。

アジャイルと品質 ~Scrumに秘伝のタレをつける~

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KDDIでアジャイル、DevOpsを推進している川上です。本日はKDDIでアジャイル開発を進めるに当たって、社内で議論となった品質についてお話ししたいと思います。

KDDIに期待される品質

KDDIは、ネットワークからモバイル、そしてクラウド、さらにはauでんきなど、通信だけでなく幅広い分野のサービスを提供しております。その中であってはならないことではありますが、機器のトラブルや、ソフトウェアのバグなどを起因として、お客様にご迷惑をおかけしたこともゼロではありません。KDDIのサービス企画部門、開発部門、そして運用部門は、お客様はKDDIというブランドに品質まで含めたサービスを期待されていると考えており、品質はお客様に満足いただくための重要な要素だと考えています。

KDDIの秘伝のタレ

KDDIでは新しくサービスの企画検討を行う際に、サービスの企画部門、開発部門、運用部門が利用する秘伝のタレがあります。これは、社内で通称「開発ガイドライン」と呼ばれるもので、過去の障害、トラブル、バグ、成功体験などを、開発の企画からシステムの構築、サービスのリリースとサービスライフサイクル内で、どのような検討ポイント、考慮ポイントがあるかをまとめたものです。テスト計画の話や、サービス仕様でユーザビリティをどのように考えるかなどの様々な要素が含まれており、まさに秘伝のタレと呼ぶべきものになっています。

Scrumに秘伝のタレをつける

この「開発ガイドライン」ですが、作成されたタイミングでは、アジャイル開発の概念が含まれておらず、ウォーターフォールの開発を前提に整理されていました。KDDIでアジャイル開発を実施するにあたり、この秘伝のタレの要素をどのようにアジャイル開発に組み込むかという点が、議論になりました。以下に一部ではありますが、適用の例をあげます。KDDIではScrum Allianceが提唱するScrumの方式を採用しています。Scrumの要素の中に、Working Agreement(働き方のルール)と、Definition Of Done(完了の定義)を決めるというものがあります。KDDIでは、このWorking Agreementと、Definition of  Doneの決定の際に、秘伝のタレの要素を組み込んでいます。下の図は秘伝のタレの適用のイメージです。

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アジャイルでは品質が担保されないのでは?という社内の懸念を、KDDIではこのようにScrumに組み込むことで、スピードと品質を両立させる取り組みを行っています。

ブログをお読みのみなさまの社内にも秘伝のタレが存在すると思います。秘伝のタレは年月を経て、時代や環境に合わせて進化していくものだと思います。皆様の秘伝のタレを、アジャイルとうまく組み合わせて、より良いサービス開発を進めていただければと思います。

AWS with KDDIリニューアル版の提供開始について

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AWS with KDDI企画担当の大坪です。KDDIは2014年よりAmazon Web Services社のAWSサービスを提供しておりますが、このたび新たにサポートプランの提供を2016年8月23日に開始しますのでサービスの内容についてご紹介をさせていただきます。

1.AWS with KDDIサポートプラン概要

AWSの各種機能およびKDDIオリジナルサポートを提供します。1

1) Amazon Web Servicesの提供するAWSの各種機能をご利用頂けます。
2) AWSドル建て利用料を他サービスと合算、日本円で請求代行します。
3)当社提供のAWSダイレクト接続の回線切分、AWS設備障害・AWSサービス仕様などについてお問合せ頂けるAWSサポート窓口を提供します。

2.各種オプション

閉域接続の『AWSダイレクト接続』、お客さまご要望に合わせた『導入・保守・支援』を組合せてご利用いただくことが可能です。

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AWSダイレクト接続はKDDIの信頼性の高いイントラネットサービス(KDDI WVS/KDDI WVS2)からAWS東京リジョンに回線を接続しておりAWSをクローズドに利用可能な環境を準備することが可能です。また、導入・構築・保守支援により、KDDIがお客様に代わりに設計・構築を行い、構築したシステムの運用・保守を提供することも可能です。KDDIは、今後も多様化する法人のお客さまのニーズに合わせて、「AWS with KDDI」を順次拡張し、クラウド基盤サービス「KDDIクラウドプラットフォームサービス」との選択および連携強化に取り組んでいきます。

AWS with KDDIのサービス詳細はkddi.comサイトよりご確認ください。

※Amazon Web Services、“Powered by Amazon Web Services”ロゴ、[およびかかる資料で使用されるその他のAWS商標]は、米国その他の諸国における、Amazon.com, Inc.またはその関連会社の商標です。

KCPSがプライベートクラウド領域を拡大 ~デル社との提携でHCIオプションを提供~

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KDDI Cloud Platform Service(以下、KCPS)のプロダクトマネージャ 佐藤です。KDDI自社開発のIaaSである「KCPS」が領域拡大に向け、新たな一歩を踏み出しました。本日はその内容についてご紹介します。

これまでKCPSは、キャリアが提供するイントラ回線標準提供の高品質・安心安全なパブリッククラウドとして、多くのお客さまにご利用頂いております。一方当社は、データセンターのパイオニアとして30年以上の実績をもち、世界13カ国、48拠点以上において「TELEHOUSE」という名のもとデータセンター事業を展開しており、TELEHOUSE内でお客さまが基幹系システムを稼動させておられたり、プライベートクラウドを構築して運用されています。昨今、新規構築のシステムはもちろん、既存基幹系システムにおいても機器のEOLに合わせてクラウド化・クラウド移行をするケースが増えており、当社のお客さまからもそのような引き合いを数多く頂いております。そこで当社は、そのようなお客さまのご要望に応えるため、デル株式会社と提携し、VDIから基幹系システムまで様々なワークロードに対応可能なハイパフォーマンス基盤を、月額サブスクリプションモデルでTELEHOUSE内に設置できるように致しました。

(本オプションは2016年10月より提供開始予定です。詳細はこちら

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分散ファイルシステムアーキテクチャを組み込んだハイパフォーマンス基盤だけあって、お客さまが通常購入された場合、かなりの初期投資がかかります。本オプションをご利用いただく事で、その高価な基盤を月額モデルで利用でき、既存基幹システムの移行先として、またお客さまプライベートクラウドのプラットフォームとしてご利用頂けます。今回ご提供する基盤は、デル社ハードウェアにNutanixのソフトウエアを組み込んだ、Hyper-Converged Infrastructure(HCI)と呼ばれる基盤となります。サーバ・ストレージを統合し、各種機能をソフトウェアで管理することにより、「簡単な導入」「迅速な拡張」「耐障害性と可用性」を手に入れることができます。このような優れた機能から、リアルタイムに変化するお客さまビジネスのシステム基盤として迅速かつ柔軟な対応が実現できます。

Hyper-Converged Infrastructure(HCI)の分野は日々進化しており、今後も最適な製品をKCPSオプションとしてお客さまにご提供して参ります。また、KCPS自体もプライベートクラウドプラットフォームとして、新たな機能及びメニューを随時展開・ご提供していきますので、期待してお待ちください。

Maker Faire Tokyo 2016レポート

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皆様こんにちは。KDDI技術戦略部木村と申します。KDDIはTeam HAKUTO(※1、以下HAKUTO)、CHIRIMEN Open Hardware コミュニティ(※2、以下CHIIRIMEN OH)と共に、2016年8月6,7日に開催されたMaker Faire Tokyo 2016に出展しました。今回は会場の様子と、「Web×宇宙×Make」をテーマとしたHAKUTO、CHIRIMEN OH、KDDIの合同出展、また、それに関する裏話をご紹介したいと思います。

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1.Maker Faire Tokyoとは

Maker Faire Tokyo(株式会社オライリー・ジャパン主催)とは、自分達が熱い思いを込めて作ってきたモノを見せ合い、交流を図り楽しむという、まさにモノ作り好きのためにあるイベントです。一部の方には「コミケの理工系版」というと、わかりやすいかもしれません。多くのブースでは、実際に作品に触れたり、体感したり、作ったりすることができるため、小さい子供たちも楽しめるイベントになっています。私は今年初めて参加しましたが、小物からロボットまでさまざまなモノが溢れており、モノの完成度に関係なく、暖かく受け入れられる空気を感じることができました。

2.HAKUTO、CHIRIMEN OH、KDDIの合同ブース

4親子で協力して、ルナサーフェス(仮)を攻略!

 

今回、KDDIは、HAKUTO、CHIRIMEN OHと合同でブースを出展しました。その内容をご紹介します。なお、KDDIは自社製品の展示はせず、CHIRIMEN OH、HAKUTO両コミュニティの展示サポート、および、ブースでのステージ企画を行いました。

CHIRIMEN OHのスペースでは、CHIRIMENを使った2つの展示が行われていました。
1つ目は、プロジェクタとアクチュエータを使った月面探査体感型ゲーム、「ルナサーフェス(仮称)」。このゲームは、月面を模した木板をコントローラからの操作で傾けることで、その上に載った紙コップ(月面探査機)を動かします。上部に接続されたプロジェクタからウェブアプリを投影し、その画面内にある丸いマークを紙コップが通過するとポイント稼ぐことができるものです。小さな子供たちに大人気のゲームでした。CHIRIMENは物理デバイスとウェブアプリを直結できるボードの為、ウェブアプリのゲームを体感型のゲームに移行するのには、最適なシングルボードコンピュータであることを実感しました。

2つ目は、専門学校東京テクニカルカレッジの学生が展示したCHIRIMENを使った席の空き状況を表示するシステム。クッションにセンサが入っており、CHIRIMENと接続することで、席の空き状況を画面に表示することが可能となっています。将来的には、レストランなどに入れたいとのことです。学校の講義の中で行い、「製作期間は1ヶ月ほどだけど、回路・ウェブプログラミングの知識が元々ある人なら、半日程度で作れるかもしれない」と話してくれました。純粋な学生の意見の為、参考になります(笑)。CHIRIMENの扱いやすさ、品質の高さが窺い知れました。また、本イベントにあわせ、このCHIRIMENボードの販売が開始されましたが、大変好評だったと聞いています。来年のMaker Faire Tokyoでは、本ブース以外でもCHIRIMENを使ったモノ作りが見られるかもしれません。

au×HAKUTO MOON CHALLENGE

HAKUTOからは、同Teamが参加するGoogle LUNAR XPRIZEミッションの説明を頂きました。ミッションは3つ:

1.月面に純民間開発ロボット探査機を着陸させること

2.着陸地点から500m以上移動すること

3.高解像度の動画や静止画データを地球に送信すること

今回のミッションは上記ですが、最終的な目的は月での資源獲得とのことです。月での新たな資源獲得もビジネスに繋がりますが、HAKUTOが一番見つけたいものは「水」。理由は、水を分解することで月でのエネルギー生成が行え、人工衛星や宇宙ステーションに補給ができるようになるためとのことです。地球から燃料を持っていく必要が減り、宇宙開発の費用が大幅に削減され、開発が促進されるのではないかとのこと。なんとも夢のある話だと思います。今後もHAKUTOの動向に注目です。

7ローバーの試作機

また、HAKUTOブースでは、月を探索するローバーの試作機を、実際にコンソールで動かすことができました。これも上述のGoogle Lunar XPRIZEのミッションを模擬したものの1つです。車輪よりも大きい石を乗り越える姿は、小型ながらも非常に頼もしく見えました。

8CHIRIMENを使ったミニローバー操縦も

さらに、CHIRIMEN経由で操作できるミニローバーを試作し展示しました。CHIRIMENに接続されたサーボモータで車輪を駆動できるようになっており、Web画面上から操作できる形となっておりました。

KDDIステージ企画

KDDIブースでは、「Web x 宇宙 x Make」のテーマの下、本イベント参加者が自由にディスカッションできる場として、以下の企画を開催しました。どのイベントも多くのお客様にご参加いただきました。

・「坂井直樹氏プレゼンツ パネルトーク『メーカーズから宇宙まで』」(パネラー:久下 玄氏(tsug.LLC)、西村真里子氏(日本テレビSENSORS/HEART CATCH)、関 智氏(刺激スイッチ研究所)、坂井直樹氏(ウォーターデザイン))

・「au×HAKUTO MOON CHALLENGE コラボ企画 私だけのプラネタリウム作り!

・「CHIRIMENでできるHAKUTOのミッションをガチで考える」

・CHIRIMEN x JS(JavaScript) Board勉強会のディスカッションイベント

3.裏話

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今回私は、CHIRIMEN OHの活動現場の1つであるMozilla Factoryにお邪魔し、モノ作りのお手伝いをさせて頂きました。金属部品にドリルで穴を開け、回路を設計し半田付けを行い、コーディングまで行う姿、つまり、ハードとソフトの融合作業にはとても驚かされました。特に、前述の「ルナサーフェス(仮)」と「CHIRIMENを使ったミニローバー」はHAKUTOのメンバーとCHIRIMEN OHのメンバーが互いに協力し、イベントの約2か月前にゼロの状態からスタートして、各メンバー時間がない中をやりくりして作り上げたものとのことです。この2つのうち「ルナサーフェス(仮)」について開発途中の話をもう少しすると、当初、そのコントローラには、ラジコンのコントローラを利用する予定でした。量販店で購入したラジコンをハックし、回路をCHIRIMENに接続、実際に動かすところまでを行いました。しかし、操作性がイマイチであることがわかり、コントローラを急遽テンキーに変更しました。その結果、ゲームバランスが整い、白熱するゲームとなりました。この過程が、まさにアジャイル開発と言えるのではないでしょうか。プロトタイプを開発し、随時改善するというサイクルを繰り返したことで、質の高いモノが生まれたのだと思います。その中で、特に印象的だったのは、時間に余裕がなく厳しい状況にも関わらず、全員がどこか楽しそうに見えたことでした。モノ作りの本質は楽しむことであり、その過程で技術力や能力が身につき、成果に繋がるのだなということを実感できたイベントでした。

12Maker Faire Tokyo2016終了時のHAKUTO×CHIRIMEN OH×KDDIメンバーの記念撮影

KDDIは、日本のメーカーズムーブメントの教育・産業界への浸透・発展に貢献したいと考えておりますが、今回、本イベントに参加した子供達の喜び、多くの参加者の熱意を見られたことは、うれしい限りです。今後も更に力を入れて活動していきたいと考えております。また、KDDIは、CHIRIMENを始めとしたWeb of Thingsの取り組みにも、さらに力を入れ、盛り上げ、普及させていきたいと考えております。

 

(※1)日本で初めて民間による宇宙開発を目指している団体であり、Googleがスポンサーの月面探査レース「Google Lunar XPRIZE」に日本から唯一参戦している

(※2)センサやアクチュエータなどの物理デバイスをWeb技術だけで制御することが可能なシングルボードコンピュータとそのソフトウェアからなる開発環境CHIRIMENを開発するオープンソースコミュニティ。

「Enterprise Offshore Development Conference」 開催します

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皆様こんにちは、アジャイル&オフショア開発を推進している 佐々木です。9月2日(金) に 「Enterprise Offshore Development Conference」 と題してまして、オフショア開発の事例共有を行うカンファレンスを開催します。こちらより参加登録お願いします。

イベント概要

急速に変化する市場に対応する開発手法としてアジャイル開発など多様な開発のプラクティスが浸透していく一方で、国内ではエンジニア不足という課題が深刻さを増しており、「オフショア」は単なるコスト削減から重要なIT戦略の一環として考えられるようになってきています。 最近では同時コミュニケーションツール(テレビ会議)、チャットツール(Chatwork / slack / idobata / HipChat 等)、チケットやかんばんなど、ツールの普及に伴いリモート開発自体は容易となりつつあり、オフショア開発の距離は縮まってきています。本カンファレンスでは、実際にオフショア開発を実践し、試行錯誤を重ねてきた事例を共有致します。今回は、各講演者のご紹介とセッションの概要について紹介させて頂きます。

オープニングセッション

2KDDI株式会社 ソリューション事業企画本部副本部長
藤井 彰人

大学卒業後、富士通,Sun Microsystems,Googleを経て、2013年4月より現職。Sun Microsystemsでは、Solaris/Java関連ソフトウェアを担当、プロダクトマーケティング本部長や新規ビジネス開発を担当。Googleでは、企業向け製品サービスのプロダクトマーケティングを統括。過去にMashup Award 1-4を主宰し各種開発者向けイベントの支援。2009年より情報処理推進機構(IPA)の未踏IT人材発掘・育成事業のプロジェクトマネージャーも勤め、若者の新たなチャレンジを支援している。

 

 

 

はじめてのオフショア、アジャイル開発(中国、上海 XP/UML編)

当社では、2002年にはじめてアジャイル開発(XP)を全面的に採用し、中国との混成チームにてオフショア開発を行いました。その時の経験から、オフショアでのアジャイル開発の勘所、陥りやすい罠をご紹介し、14年たった現在でも(いまなお)続いている製品開発のプラクティスを御紹介します。

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永和システムマネジメント代表取締役社長
チェンジビジョン代表取締役社長
平鍋 健児

 

日本におけるアジャイル開発の第一人者。国内外問わず情報発信を行い、多くのアジャイル関連コミュニティやセミナー、勉強会を主宰。翻訳書として「アジャイルプロジェクトマネジメント」、「リーンソフトウェア開発」やXP(エクストリームプログラミング)関連など多数。

 

 

 

爆速オフショアに挑む

約200人月のC向けアプリケーション開発をオフショアリソースを活用し、短期間でローンチ。”爆速”を実現するためのTIPSを盛り込んだ内容となっております。また、オフショアを行う上での注意点や気にすべきポイントについても解説します。

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株式会社IDOM
(旧:株式会社 ガリバーインターナショナル)
加藤 大清

独立系SIerを経て2006年にガリバー入社。以後、車輌系のシステムを一貫して担当し、要件定義〜保守といった全領域のPMを担当しつつ、S/W、M/W、H/Wといったフルスタックエンジニアの領域を担当。2013年より、オフショア開発のダナン担当としてチームの立ち上げから150名体制にまで拡大。

 

 

 

 

「オフショア・アジャイル」の成功への道

当社がアジャイル開発に挑戦し始めてまもなく、そのプロジェクト内にてオフショア開発にもチャレンジすることとなりました。しかし、一見無謀にも思えるこの二重の挑戦には必然的な繋がりがありました。一般的なコーディング工程のコストダウンを主眼としたオフショア開発とは一線を画す当社の取り組みを「オフショア・アジャイル」と称して、これまでの取り組みをご紹介します。

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KDDI 株式会社
田原 裕宣

ソリューション部門にてSIを経験後、映像ストリーミングサービス(VOD/IPマルチキャスト放送)のシステム開発に十年以上従事し、一般社団法人IPTVフォーラムの国内標準仕様策定にも参画。2015年4月より現職にてKDDI Business IDのオフショア開発を推進中。

 

 

 

 

 

イベント終了後には無料の懇親会も準備しており、登壇者とのディスカッションも可能です。皆様のご参加お待ちしております 。
参加登録はこちらよりお願いします。


「Cloud Days 2016」に出展します

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はじめまして。AWS with KDDIのプロダクトマーケティング、及びプロモーションを担当している李です。今後、私からは、AWS with KDDIに関するイベント・セミナーへの参加・出展情報などを中心にご案内していきますので、どうぞよろしくお願いします。今回はKDDIが「Cloud Days 2016」にAmazon Web Services(AWS)と共催で、ブースを出展しますので、お知らせします。

Cloud Days 2016

主催      :日経BP社

催日        : 2016年10月19日(水)~10月21日(金) 10:00~17:30

開催場所: 東京ビックサイト 東4-6ホール、会議棟   会場へのアクセス

参加費    :事前登録-無料、当日参加-有料

詳細・申込はこちらをご参照ください。

本イベントは日経BP社が主催で、クラウドの活用法から最新ソリューションまでを一気に紹介するクラウドの総合展です。

KDDI出展コーナー

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KDDIの出展コーナーでは、AWSとのダイレクト接続を実現する「KDDI Wide Area Virtual Switch 2」や、AWSをよりご活用するための『サポートプラン』(8月23日より提供開始)について詳しくご紹介する他、ブース内でのミニセミナーも実施いたします。AWSに興味がある方や気になっている方はこの機会に是非、ブースへお立ち寄りください。 アンケートに回答いただいたお客様に素敵なプレゼントが当たる抽選会も開催予定です。

 

ブース内ミニセミナー

タイトル:「閉域回線もAWSもワンストップで。クラウド戦略と”AWS with KDDI”のご紹介」

概要:KDDIのマルチクラウド戦略のご紹介や、AWSをより便利に活用するための『サポートプラン』、セキュアなダイレクト接続を実現する「KDDI Wide Area Virtual Switch 2」についてご案内します。

日時:
10月19日(水) 11:00~11:15 14:20~14:35
10月20日(木) 12:40~12:55 16:00~16:15
10月21日(金) 13:05~13:20 16:25~16:40

講演者:
KDDI株式会社 ソリューション事業企画本部 クラウドサービス企画部 大坪 善明
KDDI株式会社 ソリューション推進本部 クラウドソリューション部  深山 高輝

お客さまシステムのクラウドへの移行を全面的に支援するKDDIからのご提案です。皆様、お誘いあわせの上、是非ご参加ください。

KCPS 2016Q3の稼働率について

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KDDIクラウドプラットフォームサービス(以下、KCPS)のサービス運用リーダーの野崎です。
KCPSの2016Q3稼働率(※)は99.999982%でした。

29ヶ月連続で、99.999%を達成しています

1(※)稼働率=月間VM稼働時間累計/(月間VM稼働時間累計+月間VM故障時間累計)ただしメンテナンス時間を除く

いつもKCPSをご利用いただきありがとうございます。
さて、今回はKCPSドキュメントサイトの”よくあるご質問”のリニューアルページについてご紹介します。

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少し前まではお客さまが必要な情報を得るためにはコールセンターにご連絡をいただき、そのお問い合わせ内容に対する情報をお伝えする、といった形が主流でした。ところが、現在世の中のインターネットの世帯普及率は80%弱、企業に至ってはほぼ100%近くまで上昇、そのアクセスデバイスも一人一台を超えて複数のデバイスを保有し、いつでも、どこでも必要な時に、必要な情報を得ることができる時代です。そうしたときに私たちサービスの提供事業者として必要になるのが”情報の発信”であると考えています。当然のことながらその量や質についてはしっかり担保し、お客さまが抱える問題を解決できるための情報でなければ意味がありません。そこで、これまでの運用実績から蓄積されたインシデントの分類と分析を行い情報の”量”を確保しました(2016年10月時点で207件)。また、”質”については「質問」に対する「回答」の様式に統一し、お客さまの状況に応じてすぐに必要な情報にたどり着けるよう改善しました。

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一番下には、あまりお手間を取らせずにお客さまのご意見をお伺いするためアンケートボタンを設けさせていただきました。

“すべてはお客さま体験価値向上のために”
次回レポートもご期待ください。

Cloud Days 2016 出展レポート

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こんにちは。「AWS with KDDI」マーケティング担当の李です。

 

今回は10月19日から 3日間に渡って開催されました日経BP社主催 「Cloud Days 2016」 の出展レポートをお届けいたします。

KDDIはAmazon Web Services ( AWS ) のパートナーとして、AWSブース内に出展いたしました。AWSと当社に関心のあるたくさんの方々に足を止めていただき、サービスのご案内をさせていただきました。 ご来場くださいました皆様に心より感謝しております。

 

当社ブースの様子

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「AWS with KDDI」と「Wide Area Virtual Switch 2」について、展示させていただきました。オンプレミス環境からクラウドへの移行、オンプレミス環境とクラウドのハイブリット環境の実現など、AWS活用の営業提案やシステム設計に関し、情報提供を希望されるご相談が数多く寄せられました。

 

クラウド戦略とAWSサービスのミニセッション!

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AWSのブース内プレゼンステージでは、大坪(企画担当)と深山(技術担当:ソリューションアーキテクト-プロフェショナル有資格者)が登壇いたしました。『閉域回線もAWSもワンストップで。クラウド戦略とAWS with KDDIのご紹介』と題し、マルチクラウド戦略とAWSサービスについて説明させていただきました。

沢山のお客様にご聴講いただき、誠にありがとうございました。

 

KDDIのAWSサービス、AWS with KDDIは閉域接続回線の『AWS ダイレクト接続』、サポート機能を拡充した『サポートプラン』およびお客さま個別のご要望に応じた『導入・構築・保守支援』を提供しております。

♦サービスをより詳しく知りたいという方は「AWS with KDDI」の商品紹介ページをご参考ください。導入検討および見積相談をご希望の方はこちらへお問い合わせください。

♦AWS with KDDI 概要紹介動画はこちらをご覧ください。

 

次回のイベントもご期待ください!

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OpenStack Summit 2016 Barcelona にてKDDI総合研究所が次世代の分散監視システムについて講演

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プラットフォーム技術部 松本です。OpenStack Summit 2016 Barcelona(2016/10/25~28)におきまして、KDDI総合研究所の加須屋がNEC社と共同で講演を行いましたので、その様子をレポートします。

 

OpenStack Summit 2016 Barcelona

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OpenStack は、クラウド基盤を構築するためのソフトウェアで、オープンソースとして開発されています。その開発者、利用者、関連ベンダが一堂に会して、技術情報交換、導入事例発表、今後の開発方針の策定等を行うイベントとして、「OpenStack Summit」 が年2回開催されており、今回はスペイン/バルセロナでの開催となりました。

今回、NEC社のプレゼンセッション「Telecom Requrements for OpenStack – How to reduce cost after day 2」にて、同社のOpenStack への各種取り組みの説明の後、KDDI総合研究所が開発している分散監視システムについて紹介させて頂きました。

 

セッションの模様

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セッションでは、まずNEC鳥居氏から、同社のOpenStack の各種取り組みの説明がありました。

主な内容としては以下になります。

・OpenStack Foundation Gold Memberとして、OpenStack開発初期から深く開発に携わっていること

・検証済OpenStackパッケージ「NEC Cloud System」により信頼性の高いソリューションが提供可能なこと

・contributor(PTL含む)を多数輩出しコミュニティに貢献していること

さらに、「通信キャリア向けのシステム導入においては高い要件があり、その一つに運用コストの削減があるが、それを実現するための有効な手段として、新しい監視システムの導入が考えられる」との説明がありました。

 

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鳥居氏の説明を受けて、KDDI総合研究所 加須屋から、研究所が開発している分散監視システムの紹介を行いました。

主な内容としては以下になります。

・OPEX削減&アジリティ向上のための「Proactive Operation」の実現を目標とする

・「Proactive」とは、障害が発生する前に予兆を検知して未然のうちに対処することで、より高品質なサービスを提供可能にすること

・「Proactive」を実現するためには、監視の迅速化が不可欠であり、従来の集中型(Centralized)監視に代わる分散型(Distributed)な仕組みが必要

・「Distributed」な仕組みの場合、監視データの収集から分析までをComputingノード側で実施するので、障害予兆やサイレントな障害を迅速に検出可能

 

発表のポイントについてスライドを交えて紹介します。

1.運用スタイルの変革

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・OPEX削減及びアジリティ向上のためには、「Reactive」(何か起きてから対処)から「Periodic」(定期的な対処)へ、さらに「Proactive」(何か起こる前に対処)に運用を変えて行く必要があります。

 

2.Proactive Operationとは

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・例えば物理サーバが故障した場合、従来であれば故障発生後にアラームが発生し、交換作業等を実施することになります。該当の物理サーバ上のシステムは停止してしまいます。

・物理サーバの異常を障害発生前に検知できれば、事前に該当サーバ上のシステムを他の物理サーバへ移行させる等の対処を取り、システム停止を防ぐことができます。

 

3.Distributed Monitoring and Analytics (DMA)とは

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・従来の集中型 (Centralized)の監視システムだと、監視サーバの負荷(集めたデータを分析する負荷)により、高度な監視をすることが困難でしたが、今回の分散型(Distributed)の場合、各ノード側にてデータの収集、分析まで完結し、結果のみを監視サーバへ送信することにより、負荷が分散され、より詳細な監視を行うことが可能になります。

 

終わりに

今回発表したKDDI総合研究所の分散監視システムの取り組みについては、OpenStack環境に簡単に追加導入できるよう、NEC社、及び他の企業とも連携して、OpenStack自体へのコード提供の取り組みを引き続き進めていく予定です。

なお、講演の模様は以下で閲覧可能ですので、併せてご参照頂ければと思います。

https://www.openstack.org/videos/video/nec-the-telecom-requirements-for-openstack-how-to-reduce-operation-cost-after-day-2

 

KCPS 2016Q4の稼働率について

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KDDIクラウドプラットフォームサービス(以下、KCPS)のサービス運用リーダーの野崎です。
KCPSの2016Q4稼働率(※)は99.99986%でした。
グラフ(※)稼働率=月間VM稼働時間累計/(月間VM稼働時間累計+月間VM故障時間累計)ただしメンテナンス時間を除く

 

いつもKCPSをご利用いただきありがとうございます。

さて、今回はQ毎にご報告しているこの”稼働率”について、少し振返ってみました。クラウドやネットワークの品質指標として広く知られているのが”稼働率”です。インターネットで検索すると関連する情報がたくさん見つかります。

ところで当社がさまざまな媒体を利用してお伝えしている“KCPS稼働率99.999%(ファイブナイン)”という数字の持つ意味ですが、簡単にイメージしていただくため、単体システムとした場合の故障時間に変換してみます。
※あくまでも目安であり、実際の当社算出方法とは異なります。

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例えばこの5分、、、されど“5分”。数分間とはいえお客さまビジネスに与えるインパクトは非常に大きくなります。これまでの運用実績によりほとんどの課題はクリアになっているものの、いまだ未知事象が発生することがあります。いかにしてこのダウンタイム短くするか?がキャリアグレードのクラウドを守る重要な課題になります。最近の事例を簡単ご紹介します。 

クラウド環境をご利用いただくときに、パブリックネットワークやイントラネットワークと通信するために重要な役割を担う「仮想ルータ」というものがあります。複数の仮想ルータが同時に機能を停止すると(当然アラームは検知するのですが)その復旧プロセス(影響のあるお客さま抽出→ステータスチェック→仮想ルータ再作成→ステータスチェック)が複雑であり、復旧に時間がかかることが判明しました。
2016_4Qブログv2そこで私たちクラウド運用チーム、クラウド開発チームで事例を緊急レビューし「検知から復旧プロセスを自動で並列処理」する対策を施し影響時間を最小限(15分/仮想ルータ10台あたり)に抑えることに成功しました。さらに一般的にこれらのツール作成や自動化のスキルは俗人化しがちですが、OSSのGitLabでナレッジ化することでチーム全体へのスキルトランスファーを実現し、稼働率向上PDCAを加速させています。

クラウド黎明期から全盛期を迎えその提供形態や利用用途も多様化するなかで、将来をきちんと見据えて「早いものが遅いものに勝つ」という精神で引き続きスピード重視でお客さまシステムを守ってまいります。

また、私たちが発信するこのような取り組みや、これを含むマネージメントスキームを標準化しよう、という取り組みがクラウドの枠組みを超えて、当社内のさまざまな技術分野への適用が現在盛んに行われています。このような活動を通じて”お客さま体験価値向上”へつなげていきたいと考えています。

今回ご紹介したキャリアグレードの監視や自動化を取り入れたトータルソリューションについては是非当社へご相談ください。クラウド運用のプロフェッショナルがお客さまの課題を解決します。

次回レポートもご期待ください。

認定スクラム研修プログラムの開始について

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〜スクラム提唱者ジェフ・サザーランド博士のトレーニングを日本で実現〜

KDDIのアジャイル開発を推進している荒本です。

1月12日〜13日に開催された「Regional SCRUM GATHERING Tokyo 2017」で、KDDIは昨年に引き続きスポンサーとして支援いたしました。

scrum

「Regional SCRUM GATHERING」は、アジャイル開発のフレームワークの一つであるスクラムに関して、講演やネットワーキングを通じて参加者同士が情報共有するイベントです。“GATHERING”というイベント名称通り、スピーカが一方的に講演するだけのイベントではなく、実行委員やスピーカ、参加者が双方向に交流し、特にスピーカの方々が自身の講演時間に関わらずイベントの期間を通して参加し、参加者と交流できる時間を作り知見を共有する様子が見られ、スクラムの浸透やレベルの向上に貢献するイベントであることが印象的でした。
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さて、「Regional SCRUM GATHERING Tokyo」のウェルカム・トークでお話した通り、KDDIは2017年2月から、ジェフ・サザーランド博士が率いるScrum inc.社と、日本におけるアジャイル開発の先駆者である平鍋健児氏が社長を務める株式会社永和システムマネジメントと、三社共同でスクラムの教育プログラムを開始し、Scrum inc.社のコンテンツによる認定スクラム研修プログラムを行います。

スクラムは主にソフトウェア開発の分野で導入されつつありますが、仕事の進め方を変革すること対してはどのような分野でも適用することが可能です。
ジェフ・サザーランド博士は著書の中で、成果をあげるためにはチームで働く人の幸福が重要であるとし、優れた仕事は喜びに根ざしており、チームや個人が喜びに満ちていることが成功の第一歩だと言っています。また、チームで働く人を幸せにする要素は、主体性、スキルアップ、目的意識であり、それをもたらすのがスクラムの透明性であると言っています。

スピード化やイノベーションを生み出すためには、役割毎に縦割りされた組織や仕事の進め方を、ビジネス・開発などの機能を跨った一体型組織にしていく必要があります。KDDIでは法人向けクラウドサービスや一部auサービスの企画開発にスクラムを導入し、ビジネスサイドと開発サイドが一体となったチーム編成によりサービス開発を進める変革を行っています。無駄なものは作らず、お客さまが求める価値を素早く提供するための意識変革も進め、リリースサイクルを50%短縮する効果が出ています。

スクラムは組織全体で共通のゴールに向けて働くことを可能とするフレームワークです。スクラムを正しく理解し、正しいチームを作っていくことが変革には重要な要素となります。ジェフ・サザーランド博士がスクラムを考案した思い、考えに直接触れられるこの機会をご活用ください。

今回日本で認定スクラム研修を行うにあたり、ジェフ・サザーランド博士からのメッセージです。

■認定スクラムマスター (CSM)研修

開催日: 2017年2月13日、2月14日の2日間 (両日とも9時30分~18時)

開催場所:  品川イーストワンタワー20階

費用:  20万円 (税抜)/人

参加人数: 最大50名/回

 

■認定スクラムプロダクトオーナー (CSPO)研修

開催日: 2017年2月16日、2月17日の2日間 (両日とも9時30分~18時)

開催場所: ベルサール日本橋 (Room8+9)

費用: 20万円 (税抜)/人

参加人数: 最大50名/回

詳細、お申し込みはこちらをご参照ください。

 

KCPSに「マネージドオプション」が登場 〜第一弾の「Basic」ではKDDIオリジナルの監視を提供〜

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はじめまして、KDDI クラウドプラットフォームサービス(以下、KCPS)の開発を担当している浅川です。KDDIの自社開発のIaaSである「KCPS」の運用オプションとして「マネージドオプション」の提供を本日より開始いたしました。本日はその第一弾として、長年のキャリア運用で培ったオリジナルの監視設定を自動化ツールとしてご提供する「Basic」(以下、マネージドオプションBasic)の内容についてご紹介します。

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特徴①:数クリックですぐに監視をはじめられます

今回ご提供する「マネージドオプションBasic」では、「KCPS」のAdmin Console(お客さま用管理コンソール)から、お客さまがボタンを数クリックするだけで「KCPS」と連携している株式会社はてなの監視ツール「Mackerel (マカレル)」への設定が自動的に完了し、即時に監視を開始することができます。

「Mackerel」はその特徴として、導入が簡単であり直感的で洗練されたUIを持つなど優れた操作性を持っていますが、「マネージドオプションBasic」ではKCPSのAdmin Console(お客さま用管理コンソール)に連携機能を追加開発し、更なる利便性の向上を実現しています。以下の動画から、いかに簡単にそして素早く監視をはじめられるかをご確認ください。

 

特徴②:KDDIの運用ノウハウを盛り込んだ監視設定をお届けします

さらに「マネージドオプションBasic」では、KDDIが長年のキャリア運用で培った監視設定の勘所を「KDDI運用設計ガイドライン」としてご提供いたします。監視設定はシステム毎に適切な設定が異なるため、最適な監視設定となるように設計や閾値のチューニングを行う必要がありますが、KDDIの商用設備の運用ノウハウを盛り込んだこのガイドラインをご提供することで、お客さまシステムへの最適な監視設定の適用をご支援します。

 

KDDIの商用設備の運用ノウハウとは

次に、「KDDI運用設計ガイドライン」の元となるノウハウを生んだ、KDDIの商用設備の運用についてご紹介します。

KDDIは、ネットワークからモバイル、そしてクラウド、さらにはauでんきなど、「auライフデザイン」の実現を目指して幅広い分野のサービスを提供しております。これらのサービスを支える商用設備は膨大な数であり、その一部である「KCPS」だけをとってみても監視対象の機器数は約30,000台以上(2017年1月時点)にのぼります。

これだけ多数の機器を運用していく中では、機器の故障やトラブル、ソフトウェアの不具合といった様々な問題が発生します。KDDIの運用部門では、こういった様々な問題について事前に予兆を把握することでトラブルを未然に防ぎ、万が一発生してしまった問題についても迅速に検知して復旧することで、24時間365日お客さまに安心してご利用いただけるサービス品質を実現しています。この「予兆の把握」「迅速な検知」を行うための手段として、KDDIでは「監視」を重視しています。

ここでは、KDDIの監視についての考え方や実運用でのテクニックを以下3点ご紹介します。

1. 監視の目的と観点を明確にする
2. 対応不要なアラームを発生させない
3. システムの利用状況のトレンドを把握する

 

1. 監視の目的と観点を明確にする

監視には大別して、「症状」を把握するためのものと「原因」を把握するためのものがあります。例えば、CPU負荷が高騰してWebサイトに応答遅延が発生した状況を考えると、「症状」はWebサイトの応答遅延、「原因」はCPU負荷の高騰となります。監視を実装する際は、その監視項目がこのどちら(もしくは両方)に該当するのかを明確にして組み合わせることにより、「症状」によるユーザ影響を把握した上で「原因」を把握して迅速な対応を行うことが可能になります。

「KDDI運用設計ガイドライン」では、「症状」を把握するための「故障監視」、「原因」を把握するための「予兆監視」「リソース収集(グラフ化)」という観点で監視項目を分類しています。

2. 対応不要なアラームを発生させない

監視アラームは、原則として全てが何らかの対応アクションに紐づくべきです。対応不要なアラームが日常的に発生すると、運用者の確認負荷が大きくなりますし、本当に対応が必要なアラームへの感度が鈍り対応速度が低下してしまいます。

具体例として「マネージドオプションBasic」で自動設定されるOSリソース(CPU、メモリ、ディスク)の監視設定では、WARNINGとCRITICALの閾値を同じ値に設定することで、あえてWARNINGのアラームを発生させないようにしています。これはこれらの監視項目についてのWARNINGのアラームは、多くの場合対応アクションに紐づかないと考えているためです。

3. システムの利用状況のトレンドを把握する

システムの利用状況やリソースのトレンドを把握することは、故障の未然防止やシステム資源の有効活用に必要不可欠です。このトレンドを把握するためのテクニックとして、KDDIでは「過去のグラフとの重ね合わせによる比較(曜日毎に利用状況が異なる場合が多いので、曜日を合わせて重ね合せることが多いです)」や、「異なるメトリックの重ね合わせによる比較(例えば、前述の例のWebサイトの応答速度とCPU使用率の重ね合わせ等)」を行っています。

「マネージドオプションBasic」では、グラフのカスタマイズ表示により上記のようなグラフの重ね合わせによるトレンド把握を簡単に行うことができます。

 

KDDI運用設計ガイドラインにノウハウを凝縮

ここまで、KDDIでの監視の取り組みや考え方についてご紹介させていただきました。しかしながら、実際に監視を実装する際に、これらの観点を適切に保つ監視設計を都度ゼロから考えるのはとても大変ですし、設計の考慮漏れによる品質低下リスクが発生してしまいます。そこで、KDDIの運用部門では、実装すべき基本的な監視項目を機能種別毎に定めたガイドラインとして標準化することで、基本的な監視項目についての設計工数の削減と品質の維持を両立させています。今回「マネージドオプションBasic」でご提供する「KDDI運用設計ガイドライン」では、KDDIが長年のキャリア運用で培ったガイドラインに加え、「Mackerel」での具体的な設定例を盛り込むことで、お客さまシステムの監視品質向上をご支援します。

 

マネージドオプションの今後

今回は「マネージドオプション」の「Basic」の内容についてご紹介しました。「Basic」では、お客さまのシステムやサービスの利用状況をKDDIの運用ノウハウで「見える化」「監視」することで、お客さまの本業への集中およびビジネスの成長に貢献します。

尚、「マネージドオプション」では、本日提供開始の「Basic」に引き続き、更なるお客さま満足の実現を目指して順次サービスを拡充させていく予定です。今後もお客さまニーズの高い機能より順次ご提供していきますので、続編も是非ご期待ください。


事業企画部門でScrumをやってみました。

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Scrum

ご無沙汰しております、先日のRegional Scrum Gathering Tokyo 2017も好評のうちに終了したようで、昨今のScrum/アジャイルへの期待が高まっていると感じます(残念ながらRGSTには参加できなかったのですが・・・弊社もスポンサーとして参加させていただいていたので無念です)。

さて、表題の件ですが今回は開発のプロジェクト以外にもScrumを採用していますので、その状況をご紹介したいと思います。

 

始まりは兼務

昨年の4月に業務関係で、事業企画部という開発とはだいぶ毛色の違う部署で業務を行っています(一応開発と、半々の稼働調整という割当です)。いくつかのプロジェクトが事業企画部でも稼働しており、その中で二つほどプロジェクトの状況をウォッチしていたのですが、プロジェクトの遂行に対してかなり深刻な状況であると感じました。

“プロジェクトのゴールが明確でない”、その為“プロジェクトメンバーがその時々でどのタスクを消化すればよいのかが分かっていない”という状況でした(開発のプロジェクトではない)。プロジェクトのメンバーもプロジェクトのオーナーも漠と、「ちゃんと終わるのだろうか?」という不安を抱えていたようにも見受けられました。
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前々から兼務先のリーダーと、情報の見える化が必要ではないか?チケット管理してはどうか?という話をしており、昨年10月の定期人事異動に伴うメンバーの入れ替え、及びチーム制の導入に伴い、これ幸いと「試しに1チームでScrumを導入してみませんか?」と提案をし、実現に踏み切りました。殺文句は「新しい人が来た時の為に、情報を整理しておきましょう」、「チームの生産性を最大にして属人化から属チーム化を目指しませんか?」でした。

 

Small Startが成功の秘訣?

始めましょうといっても開発の部署でもなかったので、いきなりScrumやりましょうと言われても困りものということで、ステップを刻んで始めました。10月以前に比較的情報の共有をしていて私が内容をある程度把握しているプロジェクトの担当者一人と、私、所属リーダーの3人でScrumのプラクティスを実施しました。

Scrumのプラクティスでも全部はやらず、最初はこれだけでのスタートです。

・ Backlogを書く(所属リーダーと、私、担当者の3人で書く)

・ Daily Scrum

・ Sprintは1週間

この当たり前のことが、成功の母だったと感じます。

3 Sprintもしないうちに、所属リーダーとプロジェクト担当者の間で、このやり方はいいものかもしれない、という反応が出てきました。所属リーダーとプロジェクト担当者の間で認識の齟齬が無くなり、ゴール達成の為には直近に何のタスクをこなさなければならないか、という共通認識が生まれてきたからです。

 

もっと効果を

次は拡張のフェーズで、他のチームメンバーの巻込みです。

川上さん

1チームが4人で構成されていて、それぞれのチームメンバーが異なるプロジェクトを見ているのですが、最初は同じようにそれぞれのメンバーに対して個別にBacklogを書いており、Daily Scrumでも個別に報告するという形でしたが、徐々に他のメンバーのタスクの進捗に意見やコメントが出るようになり、リファインメントでプロジェクトの課題に対し、チーム全員で議論し解決するという状況になりました。

 

Retrospectiveという継続した改善活動

Scrumを実施していく中で、チームの生産性が徐々に高まってきています。最初は、消化していたチケット数だけをカウントしていたのですが、改善を続ける中で「チケット数でなく、どれだけの作業をこなしたかという点の方が良いのではないか?」という意見が出て、作業見積りをするようになりました。作業見積りでストーリーポイントをつけるようになると、次は「もっとこなせるんじゃないの?」という話が出て、チームのメンバーが自発的に改善を意識するようになりました。

1週間という最短に近い形でSprintを回し始め、12 Sprintほどを終えましたが、チームの中ではScrumで業務を進めるということが定着しつつあります。今は「ステークホルダーとチームメンバー間での情報共有」や、「ゴールの共有をどのようにすれば効率が良くなるか?」というTryにも取り組んでいます。

アジャイル開発の手法として知られるScrumですが、本来Scrumは「課題発見のためのプラクティス」である為、このように開発以外の業務への適合が可能です。Scrumを実践するに辺り「全ての業務は、プロジェクトである」と誇張してメンバーに説明しScrumを開始しましたが、今の所は順調であるとご報告いたします。

厳密に言えば、Scrum Allianceが提唱しているScrumのすべてのプラクティスを実践できているわけではありませんが、是非皆様の職場でもScrumのエッセンスを取り入れてみてはいかがでしょうか。

ジェフ・サザーランド博士による認定スクラムマスタートレーニングに参加して

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scrum inc

KDDIでアジャイル開発を推進している荒本です。
前回、スクラムを考案したジェフ・サザーランド博士の率いるScrum inc.と共同で、日本におけるスクラムの教育プログラムを開始し、この2月に認定スクラムマスター(CSM)研修と認定スクラムプロダクトオーナー(CSPO)研修の開催についてご案内しました。
日本でのスクラム研修を開始するにあたり、米国で行われているScrum inc.の認定スクラムマスター研修に参加してきましたのでレポートします。

 

米国での参加者は大企業が中心

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米国での参加者は、通信事業者、銀行などの金融系、軍需製品メーカ、教育機関など、ほぼ大企業に属し、職種は開発者が占めている訳ではなく、マネージャー職やプロダクトマネージャーなど幅広く、米国ではエンタープライズ系の大企業においても組織的にスクラムに取り組んでいる様子が伺えました。またスクラムは仕事のやり方を変える有効な手法として、複数の大手コンサルティング会社も参加していました。

 

本来スクラムは日本に受け入れられやすいもの

トレーニングでは、最初にスクラムの起源や、なぜ今スクラムによる仕事の進め方が必要か、から始まりました。デジタル産業革命が進む現在、仕事の生産性を高め製品の開発スピードを加速する必要性があり、従来のウォーターフォール開発に見られる、最後まで見通せない不確実な状態で作られた“計画”自体には価値はなく、“計画を作りながら進める”ことが全てである、としています。米国ではこのようなトレーニングの機会が多く得られる環境が整っていますが、念入りに計画を立てることを是とする日本のビジネスの現場では、アジャイル開発の普及が米国ほど進んでいないといわれています。特に、計画変更をネガティブとして捉えられる習慣のあるエンタープライズのマナジメント層に、このようなアジャイルトレーニングの機会を届ける必要性を感じました。

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その後のトレーニングは、スクラムのプラクティスに準じたワークショップを通じて実践型で進められました。
スクラムは、1980年代に生産性の高い革新的な企業としてホンダ、キャノン、トヨタ、富士ゼロックスなどを分析した日本人経営学者の野中教授と竹内教授の論文、およびトヨタ生産方式から大きな影響を受けて考案されています。トレーニングの中ではスクラムに関わらず、従来から日本企業で多く実践されているプラクティスを学習するコンテンツもあり、日本は米国と比べて導入は遅れている現状ではあるものの、スクラムによる仕事の進め方は本来日本の企業文化に受け入れやすいものであると改めて感じました。また、特徴的なコンテンツを一つあげるとすると、スクラムのスケーリング(拡大)です。組織的にスクラムを適用していくためにスクラムチームを拡大していく必要がありますが、必要となる役割と組織体制について学びました。

 

スクラムの本質を理解する

トレーニング中に常に感じたことは、自分たちが実践しているスクラムは本当のスクラムなのであろうか、ということでした。スクラムは飛躍的に生産性を向上させ、加速し続けることを本質として考え出されたフレームワークです。スプリント、デイリースクラム、レトロスペクティブなどの一つ一つのプラクティスは、スクラムの本質を実現するために考え抜かれ、それぞれ生み出された目的や理由があります。

それぞれのプラクティスの本質的な意義や目的を理解することなく、形式的なイベントとしてただ実践しているのであれば、それはスクラムを“やっている”だけで、スクラムが本来求めている“成すべき姿”になっていないのではないか、自分たちがこれまで実践してきたスクラムは“名ばかりスクラム”になっていないか、について、スクラムの考案者本人からの話を聞くが故、深く考えさせられました。

仕事の生産性を一時点で向上させることではなく、“加速し続ける”すなわち生産性を高め続ける事こそがスクラムの本質だと思います。そのためには改善を継続的に繰り返すこと、生産性のスピード指標を計測し続けること、が欠かせません。スプリントのサイクルを回すだけが目的となったスクラムは本来のスクラムではないでしょう。この責任を持つのがスクラムマスターであり、重要な役割であると改めて考えさせられました。

Scrum inc.の特徴はそこにチームの幸福度を指標として加えている点です。チームの幸福度と生産性には相関関係があり、チームの幸福度が高いほど生産性が向上することを計測により証明しています。スクラムの本質とそれを実現するために生み出された一つ一つのプラクティスの意義を正しく理解し、正しく実践し、自然と思考や行動ができる状態を目指したい、このような状態になれば、ジェフ・サザーランド博士の著書タイトルである『The Art of Doing Twice the Work in Half the Time』(2倍の仕事を半分の時間で行う)の領域に達することができるのではないかと感じました。

 

参加される皆さまへ

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2月の研修はジェフ・サザーランド博士が来日して研修を担当する予定です。スクラム考案者から直接話を聞くことによりスクラムの本質に触れることができる得難い機会であり、参加予定の方は楽しみにして頂きたいと思います。米国で参加した研修では、ジェフが話している途中でさえ、遮ってでも質問するシーンが何回も見られ、多くを持ち帰りたいという熱意が伝わってきました。日本の研修においても、参加される皆さまにとって有益な時間にして頂きたいと思います。

 

「Cloud Days Tokyo 2017」に出展します

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cloud days

KDDIで「AWS with KDDI」のマーケティングを担当している李です。

今回は3月9日、10日に日経BP社主催の「Cloud Days Tokyo 2017」にアマゾン ウェブ サービス ジャパンと共同でブースを出展しますのでお知らせいたします。

Cloud Days Tokyo 2017 

■主催   :日経BP社

■開催日時:2017年3月9日 (木)・10日 (金) 10:30~18:00

■会場   :ザ・プリンス パークタワー東京
〒105-8563 東京都港区芝公園4-8-1 会場へのアクセス

■参加費   :無料(事前登録制)

展示会事前登録はこちらをご参照ください。

 

KDDI出展コーナーの見どころ

Cloud days 2017

KDDIブースでは、AWSとセキュアな接続を実現する『KDDI Wide Area Virtual Switch 2 ダイレクト接続オプション』や、AWSをよりご活用いただくための『AWS with KDDI サポートプラン』についてご紹介いたします。AWSにご興味のある方は、この機会に是非ブースへお立ち寄りください。AWSの有資格者が多数ブースにてご案内させていただいておりますので、お困りごとがございましたらぜひご相談ください。
アンケートに回答いただいたお客様に、Amazonグッズや今治ハンドタオルなど素敵なプレゼントが当たる抽選会も開催予定です。

 

ブース内ミニセミナー

■タイトル:お客さまのAWS利用を最適化する「AWS with KDDI」のご紹介

■概要  :多くの企業にとって、パブリッククラウドが浸透してきているものの、実際の利用においてはさまざまな課題に直面することがあります。本セッションでは、通信業者であるKDDIならではの、ネットワークを活かしたAWSサービスをご紹介します。

■日時  :
3月 9日(木)   11:00~11:15 14:45~15:00
3月10日(金)  14:20~14:35 16:50~17:05

■講演者 :
KDDI株式会社 ソリューション事業本部 ソリューション推進本部 クラウドソリューション部 プロダクトG 深山 高輝(注)
KDDI株式会社 ソリューション事業本部 ソリューション推進本部 クラウドソリューション部 クラウド推進G 松岡 佑樹(注)
(注):AWS 認定ソリューションアーキテクト プロフェッショナル資格保有者

お客さまのシステムのクラウドへの移行を全面的に支援するご提案です。皆様、お誘いあわせの上、是非ご参加ください。

Dr. Jeff Sutherlandが語るプロダクトオーナーに求められること

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アジャイル開発を推進している荒本です。
2月13日より一週間をかけて、アジャイル開発のフレームワークで最も普及している”Scrum”を考案したDr. Jeff Sutherlandと、Scrum inc.のトレーナーAvi Schneierを招聘してScrumセミナーを行いました。実務者向けに認定スクラムマスター(CSM)研修を二日間、認定スクラムプロダクトオーナー(CSPO)研修を二日間行いました。その間に経営者層向けに、デジタル革命が進む現代において日本がイノベーションを起こすための組織や仕事のやり方の変革についてのセミナーが行われました。CSM経営者向けセミナー(Digital Innovation Leadership)の様子は、今回のScrumセミナーを共同開催した永和システムマネジメントの平鍋さんがブログで紹介しています。CSPO研修も50名満席の参加者で行われました。プロダクトオーナーの役割とプロダクトオーナーが使う様々なフレームワークを、Scrum inc.で実践している実例を含めて、多くのワークショップを行いながら習得していきました。
 

プロダクトオーナーに求められる役割

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まず、プロダクトビジョンを持つこと。そしてビジョンに少しずつ到達できるロードマップを作り、ステークホルダーとのアライメントを整えること。その後、リリース計画を作ってその計画とROIに責任を持つこと。そのためには良いプロダクトバックログを作ること。そして半分の時間を顧客やステークホルダーと過ごし、半分の時間はチームと一緒に過ごすこと。それらがプロダクトオーナーに求められる主な役割です。良いプロダクトバックログとは準備完了の定義(Definition of Ready)を満たしているバックログのことであり、Scrum inc.で使うDefinition of Readyのリストは直ぐに取り入れることができ、学びとなりました。

また、プロダクトオーナーはWhat(何を作るのか)に責任を持ち、How(どう作るのか)はチームが受け持つ。プロダクトオーナーがHowを指示してしまうことでチームからの信頼を失うことになる事を常に留意すべきだと思いました。プロダクトオーナーの仕事は多く、チームのベロシティーが加速すればするほどボトルネックとなることがあります。プロダクトオーナーの仕事は企画部門の人がやる、チームの仕事は開発部門がやる、というようにスクラムチーム内でも役割がサイロになりがちですが、プロダクトオーナーの仕事もチームが助けなければならない、スクラムチームとして同じゴールに向かっているのだから、というメッセージも印象的でした。

組織のサイロ(縦割り組織による役割や役職の数が多ければ多いほど)が組織内の情報の浸透性を阻み、役割や役職数が少ない企業は、これらの数が平均的な企業よりも52倍生産性が高いことを調査データで説明した上で、食品にプリントするプロダクトの企業においてプロダクトリリースに失敗し、Dr.Sutherlandがコンサルティングした事例の話がありました。ソフト部門、ハード部門、セールス&マーケ部門、品質部門でスクラムの仕事の進め方へ変革しようとした際に、最初は各部門から、今の仕事のやり方を変えたくない、やり難い、またミーティングか?といった抵抗があったそうです。そこで「スクラム」という言葉は使わず、まずは「デイリースクラム」を「リリース・プランニング・ミーティング」と呼び、1日15分だけということで集まってもらうことからスタートし、徐々に各部門にスクラムでの仕事の進め方を広げて行き組織的にスクラムを広げていく、”スクラム・オブ・スクラム”を作っていったという話がありました。結果、次のプロダクトで過去最高のリリースをすることができたそうです。問題を一つずつ片付けることがポイントということです。
 

ワークショップでの日米の違い

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ワークショップでのエピソードです。顧客のニーズを知るためのワークショプにおいて日本とアメリカで行動の違いがあるということでした。簡単な工作を行い、作ったものの価値でどれだけ多くの収益を得ることができるか、のワークを行いました。今回見られた多くの日本人の行動は、作ったものを模擬顧客であるトレーナーに持って行き(売りに行き)、高く売れたか、安く買われたかで顧客が求めているニーズや価値観を引き出そうとしました。アメリカで同じワークを行うと、プロダクトオーナーがまず顧客(トレーナー)の所へ来て、どのようなものを作れば高く買ってもらえるのかを工作する前に聞きに来るそうです。この行動の違いも生産性やスピードの差となり得ると感じました。
 

Dr. SutherlandのScrumのゴール

セミナーの最後にScrumのゴールを話しました。Scrumはソフトウェア開発のみでなく、あらゆる分野に適用可能であり、家庭生活にさえも適用できる。実際にScrumはアフリカで多くの人が貧困層から脱出することに貢献している。Scrumにより一人一人が皆のために貢献し、世界の人々をモチベートすること。その結果、良いプロダクトを作り出す、家族と多くの時間を一緒に過ごすことが出来るようになるなど、地球のために、また人々がbetter lifeとなることがScrumのゴールである、という言葉が最も心に残るものでした。
 

Scrumセミナーを終えて

今回のセミナーを通して、Dr. Sutherlandの考えに直接触れ、Scrumが生まれた目的、理由を正しく理解し正しく実践することによって、これまで実践してきたプロダクト開発とは次元の違う高い生産性のプロダクト開発が実現できるのではないかという期待が高まりました。そのためにはScrumチームだけではなく、マネージャー、ステークホルダーの皆が理解を共にする必要があることの思いが強くなりました。今後も日本におけるScrum inc.との教育プログラムを進めて行きます。ご期待ください。

 

ビジネス版LINEでKDDIがパートナーアワードを受賞しました

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LINE WORKS with KDDI担当、岡安です。
2/22(水)、ザ・プリンスパークタワー東京にてワークスモバイルジャパン株式会社の初のパートナーイベント、WORKS MOBILE Partner Conference 2017が開催されました。KDDIは同社サービス「LINE WORKS」のセールスにおいて「Number of Customer Win (総顧客数獲得賞)」を獲得しましたので、ここにご報告します。
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※21社のパートナーが参加されました

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ワークスモバイルジャパン株式会社 代表取締役社長 松橋 博人 氏

「LINE WORKS」はLINEのビジネス版として、その使いやすさと楽しさはそのままに企業レベルのセキュリティで安心して使えるコミュニケーションツールです。2月からはLINEユーザーと1:1のチャットができる機能も加わり、お客さまの営業スタイルを大きく変えるサービスに進化しました。KDDIは昨年8月よりLINE WORKS with KDDIとして取扱いを開始しておりますが、提供開始から約半年で2016年パートナー別契約顧客件数についての販売実績を高く評価され、表記の賞を受賞する運びとなりました。

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※左から
ワークスモバイルジャパン株式会社 執行役員 石黒 豊 氏
KDDIまとめてオフィス 取締役 営業推進本部長 赤石 浩之
ワークスモバイルジャパン株式会社 パートナーデベロップメント マネージャー 岩瀬 義裕 氏

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KDDIは今後とも、LINE WORKS with KDDIをはじめとしたお客さまのビジネスに貢献するクラウドサービスを提供していきます。いずれのサービスもトライアルからご利用いただけますので、ご興味のある方はお気軽にKDDIまでお声掛けください。

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