こんにちは、企画開発戦略部の大橋です。
去る2021年7月28日(水)に、私も所属するKDDI CCoEの主催で「KDDIクラウド活用アイディアソン2021」という社内イベントを開催しました。
本イベントは、KDDI社内のパブリッククラウド利用者のキーマンに集まっていただき、クラウドの活用方法のアイディアを出し合っていただくというアイディアソン形式のイベントになります。このアイディアソンは、その開催に先駆けて、以下4つのクラウドサービスプロバイダ(※以下CSP)からKDDI向けに個別に開催いただく特別セミナーとセットとなっており、各社の考えるクラウドの未来や事業展開、進化のトレンドなどを踏まえた上で、参加者自身の業務や事業でクラウドを利用/活用できないかを議論する場としました。
・アマゾン ウェブ サービス ジャパン株式会社
・グーグル・クラウド・ジャパン合同会社
・日本オラクル株式会社
・日本マイクロソフト株式会社
今回、これらのCSPの皆様からエバンジェリスト/ソリューションアーキテクトに当たる方々をお呼びしてまでこのアイディアソンイベントを開催することにしたのには理由があります。それは、2021年度初頭に社内のクラウド利用規定が大きく改訂されたからです。この改訂によりパブリッククラウドの選択肢や適用可能領域が広がり、開発者はよりフラットにクラウドの活用を検討できるようになりました。今回はこれに伴い社内の開発担当者が各クラウドの特徴や思想を掴み、最適なクラウドを選択するためのイベントとして、特別セミナー+アイディアソンという形式をとることにしました。
2021年3月に登壇したJAWS DAYS 2021にて、私から発表させていただいたこれからの取り組み計画の一部が、いよいよ実行に移されたというわけです。(ご参考)
4つものCSPをお呼びしたセミナーの開催は滅多にないことだったので、参加者からの関心も非常に高く、その分セミナーを通して誤った認識を植え付けないよう「各社のクラウドが持つ出自や背景によって異なる特徴があること」を正しく伝えられるコンテンツとするために、各CSPの皆様と何度も打合せを重ねました。
その結果、各社の歴史的経緯を踏まえたクラウド戦略の内容と、それを踏まえた上での象徴的なサービス、ならびに弊社と各社の関係なども理解できる非常に有益なセミナーとなりました。参加者の方からの反響も高かったので、特別セミナーとしては大成功だったのではないかと思います。
上記のセミナーを踏まえて開催されたアイディアソンでは、複数のグループに分かれてアイディアを出し合い、各グループで決めたベストアイディアを発表、参加者全員でそれらに投票する形式を取りました。アイディアソンとしては1.5時間という短い開催時間だったため、「ディスカッションの時間がもっと欲しかった」という意見を多々頂きました。クラウドの活用方法についての議論が白熱したことがわかり、また事務局としても次回に向けた改善として嬉しい反省点となりました。
社内事情により、出されたアイディアの詳細を伝えることはできないのですが、チームディスカッションの一部をご紹介します。どのチームも個性が詰まった内容で、1つに絞ることが大変だったことがディスカッションボードからも伺えます。
ベストアイディアTOP3を決定しましたが、1~6位までの票差は1票差となっており各チーム様々な意見が出つつも大きな偏りがなく、参加者1つ1つのアイディアが皆様にとって新たな気づきとなるディスカッションであったのではないかと感じています。
ここで選出された上位のアイディアを可能な範囲でお伝えすると、社内DXにクラウドを積極活用するアイディアや、社外では行っているものの社内向けには行えていないスパイクアクセスへのクラウド活用といった「社内活用へ向けたもの」、Infrastructure as Codeの活用やマネージドサービス活用することでの夜間対応の軽減といった「クラウドネイティブな活用方法」、そしてクラウド/デバイス/携帯回線/Webサービスを全て組み合わせて物理店舗で売るという「KDDIらしいサービスへの適用」といったアイディアが票を得ていました。実に様々な方面からアイディアが議論されたことが分かります。
上記以外にもいくつか個人アイディアで多くの得票を得たものもあり、中には「オンプレミスの廃止」などかなり攻めた内容もあり、個人のアイディアについても詳しく話を聞いてみたかったなと思いました。やはり90分では時間が短すぎたのかもしれません。
またアイディアソン終了後のアンケートでは、なんと回答率が100%!さらに、今回のイベントにおいて気づきを得たとの回答も100%という、驚愕の結果を得られました。参加者の皆様の意識がいかに高いかが伺えるエピソードです。
他にも「知見を深める・広げることができた」「自分では思いつかない他部署の方のアイディアを聞けた」との嬉しいコメントや、
次回開催する場合に希望するテーマを伺ったところ、「アイディアソン参加後のその後について」や「KDDIのクラウド導入をよりやりやすくするためにどんなことが必要か」などの面白そうなコメントも寄せられました。
社内での立場や業務、価値観の違うメンバーが集まった今回のアイディアソンで出された思考・アイディアの数々は、たとえ得票が得られなかったものであっても、グループディスカッションの中で参加者の皆様の記憶の中に深く刻みこまれたはずです。それらはきっと、持ち帰った先の自業務の中で活かされていくと思います。これだけ白熱した会をこの1回で終わらせるのは本当に勿体ないので、なんとしても続編を開催したいと思います。
KDDI社内におけるクラウド活用の変革はまだ始まったばかりです。今回のルール改訂はその変革達成に向けた重要な一歩だと思います。インフラの選択肢がより大きく広がったことで、そのサービスにとってより最適な環境を選ぶことが出来るようになったのは喜ばしいことですが、逆に今度はどことどこを組み合わせるべきか、といった新たな課題も生まれてくるでしょう。こういった課題解決に向けた勉強会を、今後も社内のクラウド利用者に向けて積極的に開催していけたらと思います。